我が家の末っ子1歳半は、最近になってようやく便秘が緩和されてきました。
毎日出ないと機嫌が悪くなりがちなので、ここにきてちょっとほっとしています。
赤ちゃんの便秘に関しては、おむつなし育児をしていると便秘がないとか、解消されたという話をよく聞くのですが、うちの場合に限って言えば、3人の子どもたち全員がおむつなし育児出身者(?)なのに、ちょっと様子が違っていました。
3人とも、離乳食をはじめると、途端に便秘・・・・
少なくとも離乳食開始以前には便秘がなかったので、これを考えるとおむつなし育児をしていた効果はあったのかな?とも思えてきますが、離乳食以降の便秘に関しては、おむつなし育児とは別の視点から捉えています。
赤ちゃんが食べ物を消化するって、かなり大変なことのようです。
さて、親として「赤ちゃんが離乳食を食べてくれない」とき、頭をよぎるのは何でしょうか。
市町村区の栄養指導などにより、
「この時期はこれらの食材を与えましょうと言われたけれど、ぜんぜん食べてくれません・・・」
というお母さんは多くおられますし、まじめなお母さんこそ気になってしまう問題ではないかと思います。
「赤ちゃん時期はしっかり栄養を摂らないと成長しないのでは」
と考えてしまいがちですし、
「食べてくれないのは自分のやり方が間違ってるのかも、そういえばうちの子、他の子よりもちっちゃいかも(゚Д゚;≡;゚д゚)」
・・・などなど、大きな悩みになってしまうんですよね。
【1. 鎌倉時代】
そんな方に知って欲しいことの、まずひとつめ。
大分昔の話になりますが、鎌倉時代の人々は、2歳頃から離乳食を摂っていたそうです。
それまでは母乳オンリー!
お母さん、大変だ!!
→ 鎌倉時代は2歳から離乳食 (産経新聞2007-11-26)
今でも私たちの住む先進国とはちがい、衛生状態が良くない国や地域では、このような子育てがされているそうです。
【2. 厚生省】
ふたつめは、行政の指導について。
私が生まれたのは1977年、今から40年前です。
母の話によると、この頃の栄養指導は生後3、4ヶ月から離乳食を始めなさいということだったそうで、指導通りにやっていたそうですが、さすがに食べたがらなかったと言っています。
3、4ヶ月って、まだねんねの時期ですよね ( ̄ロ ̄|||)
母は産後4週間で復職したそうで(産休、育休は産前産後8週間のみだったそうな)、しかも当時は厚生省がアメリカ的育児(スポック博士の育児書)の影響を強く受けた指導をしていたこともあり、赤ちゃんの離乳食は早く進めるのが主流だったようです。
このことを考えてみると、世の中の「常識」はコロコロ変わるし、今の時点で「正しい」とされていることが即ち絶対的に正しいことである、という見方はしなくても良いのではないでしょうか。
もしも「正しい方法」が存在するとすれば、それは「数ある選択肢の中から、我が子に合った方法を選ぶ」ことと言えるのではないでしょうか。
【3. アレルギーの仕組み】
日本におけるアレルギー問題が拡大してきてから、言われるようになったことがあります。
かいつまんで言うと、こんな内容。
「赤ちゃんの消化能力が低いうちから食べ物を与えてしまうと、本来腸管から吸収されるべきではないものまで吸収されてしまい、それによってアレルギー反応を引き起こしやすくなる」
これに関しては否定的な意見もあるようですが、個人的には説得力があるなーと感じています。
ちなみにこのお話は、東京医科歯科大学名誉教授、医学博士の藤田紘一郎著「アレルギーの9割は腸で治る!」に書かれていますので、以下に一部引用します。
食物アレルギーが起こる発端は、原因食物のたんぱく質を腸内でアミノ酸まで分解できず、たんぱくのまま吸収してしまうことです。
それによって抗体ができて、アレルギー症状が出現するのです。
(中略)
乳幼児の場合には、母乳で免疫システムを整える前に、早くから離乳食を与えると、腸管を荒らしてしまった結果、卵などの食品のたんぱくがそのまま吸収されてアレルギーを起こすのです。
【4. 蜂蜜と腸の発達】
蜂蜜を1歳未満に与えてはいけないということは広く知れ渡っていますが、これも赤ちゃんの腸の発達と大きく関係しているようです。
1976 年、米国において最初の乳児ボツリヌス症の例が報告された。
乳児ボツリヌス症は、食品中に含まれる毒素による一般的なボツリヌス食中毒と異なり、ボツリヌス菌芽胞を生後1 年未満の乳児が経口的に摂取した結果、腸管内で菌が発芽・増殖して産生した毒素により発症する。
(国立感染症研究所 感染症情報センターより引用)
蜂蜜に含まれるボツリヌス菌の芽胞が乳児の腸管から取り込まれることをを思うと、上記の子どものアレルギーが起こる仕組みと同様に、赤ちゃんの腸の発達と離乳食について考えさせられる部分があります。
赤ちゃんの腸は未発達で、アミノ酸まで分解が進んでいない大きなたんぱく質を吸収してしまうということと同様に、通常大人の腸からは吸収されない大きさであるボツリヌス菌の芽胞を取り入れてしまうのです。
その結果芽胞が赤ちゃんの体内に入り込んで発芽し、ボツリヌス菌となり、健康被害を被る危険性がある。
なので赤ちゃんの腸がしっかりと育ち、大きなもの(ボツリヌス菌の芽胞)を取り入れなくなるまで蜂蜜をあげるのは待ちなさい、ということのようです。
腸が発達し、大きななものを取り込まなくなるのは大抵1歳を過ぎてからで、他の発達(寝返りやハイハイ、ひとり歩き)と同様に個人差が大きいようです。
ここから推測するに、かつての日本や、先進国ではない国で1歳、2歳まで母乳のみの育児をしているというのは、案外理にかなっているのではないか、という気がしてくるのは私だけでしょうか。
腸の発達はハイハイや歩くことと違い、目にみえるものではないため、「うちの子ハイハイ始めたよ!」みたいに「うちの子の腸、ついにたんぱく質を吸収しなくなったの!」なんて話題にのぼることなどまずありません。
しかし、このことを頭の片隅にいれておくとちょっとホッとできませんか?
赤ちゃんが食べないときは、もしかしたら「まだ消化能力が整っていないよー」という合図かもしれないし、「この食材は今は必要ないよ!」、ということを一生懸命お母さんに教えてくれているのかもしれませんよ。
【考察】
「それではいつ離乳食を開始したらいいの?」
「5、6ヶ月じゃ早すぎるの??」
という疑問が出てきますよね。
そうではなくて、赤ちゃんの発達には個人差があることを念頭におき、日々赤ちゃんに接しているお母さんが判断していくことこそが最善なのではないでしょうか。
我が家では、「歯が生えてきたら消化の準備が整った合図」という目安を採用し、通常の離乳食開始時期と言われている「生後5、6ヶ月」には始めていません。
歯が生え始める前に、既に食べ物に興味津々で、大人の食事を見てはヨダレをダラダラたらして手を伸ばす、というような赤ちゃんもいるでしょうが、うちの子どもたちにはそんな様子はなく、歯が生えはじめ、ようやく食べ物に興味が出てきたころから離乳食を始めました。
うちでは食べたがらないものは与えず、という姿勢でおり、離乳食は米と芋以外全くと言っていいほど受け付けなかった長女が本格的に食べられるようになったのは、1歳2ヶ月を過ぎてからでした。
この子は長らく成長曲線を下回っていたため、定期検診のたびに「体重の増えが良くない、しっかり食べさせなきゃダメでしょ!」という指導を受けていましたが、私は逆に、「赤ちゃんが食べたがらないものをどうやって食べさせるのか」と不思議でならなかったのを思い出します。
今8歳となった長女は平均身長より高くなり、好き嫌いはあるもののしっかり育っています。
【食と排泄】
そして、もうひとつ大事なこと。
私たちの「食」は、「排泄」につながります。
どちらがより大事ということはなく、両方とも生きる上ではとても大切なことです。
便は、身体からの便り(たより)。
排泄を通じたコミュニケーションとは、何もおむつなし育児やトイレトレーニングに限った話ではなく、食事とは切っても切れない関係性があるのです。
離乳食時期は排泄のリズムが崩れがち。
赤ちゃんがあれやこれを食べてくれない〜にこだわらず、教科書通りにいかない赤ちゃんの個性的な成長を見守りつつ、排泄や機嫌に注意しながら、おおらかに離乳食を進めていけるといいですね。
次回も引き続き、悩める離乳食について書いていきます。
カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。
定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。
つまり、✨自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのもの✨なのです。
ぜひご活用くださいね。
*お知らせ*
親教育の翻訳に関わる企画を優先させるため、
しばらくカウンセリング業務はお休みします。
再開時期が決まりましたらお知らせいたします。
赤ちゃん手話×おむつなし育児講座は、
開講準備が整い次第、お知らせいたします。
◎お問い合わせはこちらよりどうぞ
◎コミュニケーションのヒント