質問をお受けしました。
「子どもに対して
自己受容を教えていくには
どうしたら良いですか?」
疑問が出てくる部分ですよね。
まずは、ご自身に自己受容を深めていただくのが良いと思います。
自己受容は日々実践されていますか?
→「自己受容のはじめ方」
→「自己受容の深め方」
これは、例えば親が片付けをしないのに子どもに対してだけ
「遊んだ後は片付けしなさい!」
と言っても効果が薄いことや、
親が靴を揃えないのに子どもに対してだけ
「脱いだ靴を揃えなさい!」
と言っても説得力が感じられないことと同じです。
まずは親御さんご自身が自己受容を試して深めて、そこから経験を通したものを伝えていくのがいいのでは、と思います。
では、子どもに伝える具体的な方法の一例をあげますね。
「子ども」と言っても年齢層によって対応が違ってくると思うのですが、我が家の場合は小学生を筆頭とする子どもたちなので、物事への理解が進み、大人になりかかっている年齢層ではありません。
それでも少しずつ伝えることは可能です。
例えばきょうだい喧嘩をしているとき。
姉(9):
「こんなこともできないの?
もー、赤ちゃんなんだから!」
弟(5):
「もう赤ちゃんじゃないもん!(泣)」
こんなことがあったとします。
というか、たびたびあります。笑
そして、弟は私のところに来て
「おねえちゃんが、
赤ちゃんじゃないのに赤ちゃんって言った〜!」
と言って泣きつく。
そんなときに、一旦彼のその悔しさやら不甲斐なさやらの気持ちを認めた上で、
「自分が赤ちゃんじゃないって、知ってる?」
と聞きます。
彼はもちろん、
「知ってる。」
と答えます。
その答えを受けた上で、
「じゃあ、大丈夫だよね。
自分が赤ちゃんじゃないって
自分でわかってるのなら
だいじょうぶだよ。
お姉ちゃんに
『赤ちゃんだ』って言われても
本当は違うって知ってるんだから、
それでいいんだよ。
みんな、考えや見てるものが違うからね。
みんなが一緒の考えじゃなくても
良いんだよ。」
もちろんすぐには納得してくれませんが、これって自己受容の基礎だと思うのです。
そして、私たち大人ができていないとなかなか伝えられない部分でもある、ということがみて取れると思います。
私たちは、身近な人から
「あなたはダメな母親だ!」
と言われたらそのままズドーンと落ち込むし、なかなか
「私はダメな母親ではない」
と、他者の言葉に巻き込まれずに冷静に自分のことを認め切るのは難しいですものね。
ついつい友達に
「〇〇さんにダメな母親って言われた」
と愚痴ってしまい、
「そんなことないよ!その人間違ってる。
あなたはとっても良いお母さんだよ!」
と言って欲しくなります。
これが、他者からの承認を求める上記の子どもの心理
((お姉ちゃんに赤ちゃんって言われた!
お母さん、違うって言って!))
と同じことなのです。
他者に言われたこと、投げかけられた言葉をすんなりとこころの中に入れこんでしまい、傷つく。
あるいは他者に承認されたことにしがみつき、いつでも承認されることを求めて承認してくれる人の周りでしか自分の存在価値を認められない。
それを繰り返すと、というか、通常は程度の差はあれ無意識的にそのような行動が繰り返されているのですが、依存的な関係性が構築されます。
これはある程度ならば必要ですし、全く否定するつもりはありません。
私たちは他者との関係性を排除しては生きられないし、自己受容だけで完結し、他者からの承認が全く必要ないという状態にはまずなり得ません。
それこそ悟り(しかも大悟)を開き、寒山拾得のような生活をするのなら話は別ですが、私たちはそうではありませんしね。
子どもたちは、小さいうちは特に、親に依存して生きる必要があります。
生まれたては親や保護者に依存することでしか生命を保つことはできませんし、その後は親の機嫌を伺い、親や教師、他の大人の行動を真似て生きる術を自分の中に取り込んでいきます。
その過程があるからこそ「依存」する、あるいはされることは生まれつき私たちに備わっている機能だと言えるのではないでしょうか。
ただし、もちろんそれだけが生きる術ではありません。
依存や承認を外部に求め続けるだけではなく、
「自分で自分のことを認め、受容していくこと」。
このことを、子どものうちから
「自分に許可して良い」
と教えることは可能です。
常に自己受容しなさいという展開ではなくて、親から受容される、承認される感覚を与えつつ、
「この感覚を自分で作り出しても良いんだよ」
と伝えていくのです。
余談ですが、もちろんお姉ちゃんの方には
「弟の地雷を踏む言葉を知っときながらわざと使うな」
と、仲裁もしてますよー!
そして、彼女へも
「学校で友達からこんなこと言われた」
という相談を受けた時に、自己受容の基礎を伝えています。
今回の内容をまとめると、
「まずは親である私たちが
自分自身を深く見て、
受容していくことを
日々実践し続けましょう。」
ということです。
日々料理を作っていれば子どもに料理を教えることができ、洗濯物をすれば干し方や畳み方を教えることができるのと同じことで、自己受容もご自身で実践されれば必ず子どもに伝えていけますよ。
→「自己受容のはじめ方」
→「自己受容の深め方」
カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。
定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。
つまり、✨自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのもの✨なのです。
ぜひご活用くださいね。
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