前回の記事の続きです。
→「自己受容のはじめ方」
繰り返しになりますが、自己受容とはどんなにダメな自分もどんなに劣悪な状態の自分をも、無条件で受容することです。
どんなにネガティブな感情が出てきても、そうだよね、そういう気持ちが出てくるよね、と無条件に抱擁するのです。
言ってみれば自分で自分のカウンセラーになるような、あるいは自分が自分の「理解ある親」になるような感覚です。
批判的な自己はインナーペアレント(内部の親)、という名前で呼ばれることがありますが、この「親」を「批判的な親」ではなく、「受容的で理解のある親」に成長させていくのがポイントです。
「今まで私は私に対し、
どれだけ批判的だったか?」
ちょっと振り返ってみましょうか。
実はね、家族や友人、上司や同僚などの他者があなたに対して批判的だったというよりも、私たち自身(インナーペアレント)が自分自身(インナーチャイルド)に対して批判的である場合が多いのです。
自分の中にふたりの人物がいて、常に一方が批判的で常に一方が自己嫌悪という状態で日々せめぎあっていたら、それはそれは辛いですよね。
しかし、批判的な自分が受容的になってくれたら?
どんな自分でも受け入れてくれて、抱擁してくれて、理解してくれていたら?
これほどこころが穏やかになることはないでしょう。
しかし私たちは、概してこの役目を外側に求めがちです。
恋人に、あるいは夫や妻に包容力を求めます。
しかし、いくら外側の人たちが包容力のある受容的で素晴らしい人たちであっても、それを受け入れないインナーペアレントがこころの中に住んでいたら?
いくらでも自己嫌悪や自己否定、無価値感は発生しますし、それが外側に投影されて生き辛さに結びついていくことがあるのです。
逆に、外側の人たちがあなたに対して受容的でなかったら?
あなたのことを認めてくれない人たちだったら?
自己受容が深まってくると、それすら関係なくなります。
外側からの承認をさほど求めなくなり、自分で自分のことが認められるようになり、他者の承認を得なくとも自分の感情が揺れることが少なくなるからです。
しつこいようですが、大事なことなので再度確認してみましょう。
ネガティブな感情が出てきたときこそ自己受容のチャンスです。
「自己嫌悪・・・」
と感じる自分に対し、
「そうだよね、こんなことがあったらどうしたってそういう風に感じちゃうよね」
と、声をかけてください。
どんな状態の自分に対しても、批判するのではなく
「あなたは存在価値のある素晴らしいあなたなんだよ」
というメッセージを送ってあげてください。
そして、それを淡々と日々続けていきます。
この「続ける」というところがとても大事。
三日坊主で終わらせてしまえばまた自動的に思考が沸き起こり、今まで通りネガティブな感情に巻き込まれて(自分で自分を巻き込んで)しまうことが出てくるでしょう。
しかし、ちょっとイヤなことがあったという場面で自己受容を続けていけたら?
インナーペアレントは間違いなく成長を続け、どんどん受容的に変化してくれます。
もしもうまく受容することができなかったら、そのことすら受容します。
インナーペアレントも私たちの中に住む大切な存在です。
その大切な存在を否定することなく、
「そうだよね、最初は難しいよね。
だって今まで試したことなかったもんね。
今は上手に受容できなくて当然だよ。」
と声をかけていきましょう。
もしもコツがわからない、どうしたら受容的になれるんだろうかと思われる場合は、カウンセリングやセラピーを受けて「受容されている」実感を得る(=どうやって受容するかを実感を通して学ぶ)こともひとつの手です。
人によっては全身のマッサージを受けることも、身体感覚を通して受容されている感覚や、自分を大切にして受容する意識を育てることにつながるでしょう。
そして一番大事なこと!
「へ〜、なるほど。」で、終わらせない。
自己受容は実践してこそ効果が出ます。
実践しなければ何の価値もない情報です。
ネガティブな感情や自分を批判するような思考が出てきたら、ぜひやってみてくださいね。
カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。
定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。
つまり、✨自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのもの✨なのです。
ぜひご活用くださいね。
*お知らせ*
親教育の翻訳に関わる企画を優先させるため、
しばらくカウンセリング業務はお休みします。
再開時期が決まりましたらお知らせいたします。
赤ちゃん手話×おむつなし育児講座は、
開講準備が整い次第、お知らせいたします。
◎お問い合わせはこちらよりどうぞ
◎コミュニケーションのヒント