子育てママのための 親育ちカウンセリング

子どもが勉強せず、担任の先生に叱られてばかり

 

今日は、本の引用から親の持つ【心配】の根っこを見てみましょう。

さかなクンの一魚一会

 

 

この本の感想をひと言で言うならば、

「子どもの専門家になれるのは、その子の親が最高の適任者ということがよく分かる本」

この本をお勧めする理由をひとつあげるなら、

「親としてあるべき姿という枠が、スポッと外れます」

 

さかなクンの一魚一会

 

 

さかなクンって、小さい頃はどんな子どもだったのでしょうか。

読み進めていくとよくわかりますが、ご想像のとおり、子どもの頃から魚のことばかり考える子だったようです。笑

そんなさかなクンがタコに夢中になったときのこと。

 

夕飯は毎日のようにタコをおねだり。それでも母はイヤな顔ひとつしませんでした。

それどころかお刺身、煮込み、酢の物など味付けを変えて一ヶ月ほども毎日、タコ料理を作りつづけてくれたのでした。

兄も「マー坊はタコが好きなんだね。」と笑うだけ。毎日版ごはんがタコばかりだと、文句のひとつも出てきそうなものですが、愚痴ひとつ言わず、毎日のタコ料理につきあってくれたのでした。

 

普通は1ヶ月もタコ料理なんてしたくないですよね・・・・

お母さんとしては、子どもにタコ料理を延々とねだられたら「無理!できないよ!」と答えてしまいがちですが、実は「できない」のではなくて、「やりたくない」が本音です。

ここのところ、ものすごく大事だなーと思います。

子どもからのお願いに対し、「無理、できない」という言葉を日常的に子どもになげかけていると、それは洗脳と同じことになりかねません。

子どもは「無理、できない」と言うべき状況と、この言葉の使い方を急速に学習します。

もしも、子どもが「無理、できない」という言葉を発しているのが気になったら、「そんなこと言ってると本当にできなくなるんだぞ」というもっともらしい説教より、親としての自分がそれを子どもに教え込んでいないかどうかを振り返る、またとない機会ですよ。

 

 

また、さかなクンはお魚に夢中すぎて学校の勉強そっちのけで、授業中に魚の絵を描いていたり、テストの答案用紙にまで魚の絵を描いて提出したりしていたため(笑)、学校の成績は良くなかったそうです。

当然学校の先生からは叱られてばかり。

もしもあなたのお子さんがこんな状態だったら、どうされますか?

普通は勉強ができない子になっちゃったらどうしよう〜〜と、心配になりますよね。

お子さんに

「ちゃんと勉強しなさい!」

と言いますか?

「勉強するまでお魚は描いちゃダメ!」

と条件をつけますか?

 

 

しかし、さかなクンのお母さんの対応は通常私たちが考えがちなものとは違い、タコの例の更に上を行く子どもの個性を尊重した対応だったのです。

 

家庭訪問では、母は毎年、その年の担任の先生におなじことを言われていたと言います。

「本当に絵がお上手ですね。彼の描く絵はすばらしい。ただ、授業中も魚の絵を描いてばかりで、授業に全く集中していません。もう少し、学校の勉強もきちんとやるように家庭でもご指導していただけませんか。」

 

すると母はいつもこう言っていたそうです。

「あの子は魚が好きで、絵を描くことが大好きなんです。だからそれでいいんです。」

「しかし、今のままでは授業にまったくついていけていません。今後困るのはお子さんなんですよ。」

 

「成績が優秀な子がいればそうでない子もいて、だからいいんじゃないですか。みんながみんないっしょだったら先生、ロボットになっちゃいますよ。」

 

(中略)

 

母の態度は一貫していました。先生に語ったこと言葉どおり、「勉強をしなさい。」とか「おさかなのことは、これくらいにしときなさい。」などと言ったことは、いっさいありませんでした。

そのかわり、「お魚が大好きなんだから、好きなだけ絵を描くといいよ。」

そう言って、いつも背中を押してくれたのでした。

 

いやいや、子どもの勉強に関して何の心配もせず、ここまで一貫した態度だなんてアッパレですよね。

「勉強ができない=社会の落ちこぼれ」的な発想から、ついつい「勉強しなさい!」と小言を言ってしまうのが親という立場の性質です。

しかし、自分の子どもには勉強以外に素晴らしいものがある、ということがしっかりと見えているのであれば、「勉強ができない」ことに対する【心配】はそもそも出て来ないのでしょう。

 

 

ここら辺は、以前書いた離乳食に関する記事と共通しています。

「離乳食を食べてくれない」

「食事ができないと栄養が採れないのでは」

「他の子よりもうちの子ちっちゃいかも・・」

「ちゃんと食べる子にしないと!」

 → 「離乳食を食べてくれなくて、困ってます

 → 「離乳食を食べてくれなくて、困ってます 2

 

 

あるいはおむつなし育児の場合、生後すぐからはじめてもう○○ヶ月なのにまだおしっこを教えてくれません、という類いのお悩みがあります。

よその子と同じにならないためお母さんは悩んでしまうことがありますが、これも多くの場合、お子さんの個性によるものです。

 

 

こういった【心配】に対して、我が子独特の成長速度という「個性」を見極めて、我が子の人生そのものに信頼を置いている状態であれば、本来大きな悩みに発展することはそうそうありません。

冒頭に書いた「子どもの専門家になれるのは、その子の親が最高の適任者」というのは、つまりはこういうことです。

子どもの個性は保健指導の方や学校の先生にはよくわからないものであったり、標準と照らし合わせると外れているため、否定しがち(否定されがち)なものとなり得ますが、お母さん、お父さんはその個性を理解し認め、否定ではなく尊重するという選択肢を選べます。

我が子の成長を全て見てきて、我が子の特性を一番よくわかっているのは、親なのです。

 

 

しかし、そうは言っても個性を認めるのが難しいことだってありますよね。

我が子に対する「あなたはこういう個性を持ってるのね、自分のペースでいいよ!」という発想や態度は、そういうふうにした方がいいとか、そうすべきだと教わったから、ということでできるようになるのではなくて、こころからそう感じた時に、それが外部ににじみ出てくるから行動になるのです。

逆に、いくら「心配しないようにしましょう」「心配するのはよくないことです」と言われたとしても、自分の内部から【心配】が沸き起こってくる状態であれば、【心配】の発生を止めることはできません。

表面的に、【心配】をやめようとしても、自然と沸き起こってくるものを抑制できないために、却ってストレスに感じたり、「心配しないようにしてるのに心配していまう自分はダメだ」という自己嫌悪に陥ったりすることがあるため、逆効果です。

 

 

このような厄介な【心配】の心理は、内観を通して掘り下げてみてみると、「自分が親として子どもを上手に導けないことに対して」ひっかかりを感じていることが多いです。

「勉強ができない子」そのものを心配すると言うよりは、「勉強ができない子の親」になることを恐れている状態です。

あるいは親である私たちが「こうすべきではない」という【枠】を持っている場合、その【枠】から外れた子どもの行動を見ると、それを否定し矯正したくなるのです。

 → 「あなたの無意識の中に、ワンサカあるもの

 

 

この観点から見ると、さかなクンのお母さんは、ご自分のこころの中が非常にスッキリしていて、余計な【枠】をあまり持たない方なんだろうなという印象を受けました。

余計なモノを持たずに生活する、断捨離やミニマリストという概念がありますが、これはこころに対しても効果的です。

自分のこころの中を見つめ、スッキリさせていくことで、子どもや旦那さん、あるいは同僚や友達に対して要らぬ心配やイライラを感じずに、おおらかな気持ちでいられたら、これほど平和なことはありませんね。

 

 

この本を読みつつ、私もいろいろと勉強になりました!

子育て中の親御さんには、むしろhow to的な育児書よりもお勧めしたい本です。

 

 

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カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。

定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。

つまり、自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのものなのです。

ぜひご活用くださいね。

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