子育てママのための 親育ちカウンセリング

アメリカのおむつなし育児事情4

 

前回までのお話はこちら。

 → 「アメリカのおむつなし育児事情1」

 → 「アメリカのおむつなし育児事情2」

 → 「アメリカのおむつなし育児事情3」

 

前回までに引き続き、心理療法医でありお母さんでもある Heather Turgeon という方が書かれた記事を引用します。

訳は私の適当な意訳のため、プロの翻訳ではない点ご了承ください。

 Potty in the USA: Why we’re slow to the toilet

「アメリカのおまる事情:なぜ我々のトイトレは遅いのか」

 

 

But as far as I can tell, there’s no scientific evidence to support Freud or Brazelton’s notion that going potty warrants such delicate treatment. And the fact that babies are routinely toilet trained before age 1 in other cultures makes it hard to imagine that the timing would have an effect on a child’s personality.

 

しかし私が知る限りでは、トイレトレーニングに向かうことがそれほどまでにデリケートな扱いになるというフロイトやブラゼルトンの見解を裏付けるような科学的根拠はない。

 

そして、他の文化圏では赤ちゃんは1歳までに日常的にトイレの躾がなされている事実を考えてみれば、(トイレトレーニングを始める)タイミングが子どもの人格に影響を及ぼす可能性があるとは考えにくい。

 

フロイトは哲学者だと言われることもあるけれど、一般的には心理学者として認知されています。

今の心理学や心理分析学の大元を作ったような著名な精神科医です。

ブラゼルトン医師はアメリカの小児科医で、トイレトレーニングは早期に始めてはいかんと言い始めた方です。(詳細は前回の記事をご参照ください。)

他の文化圏では・・・のくだりは、まさにその通りだと私も感じています。

実際のところ0歳に対しておまるを使っている文化圏は多く、ごく少数のリッチな先進国のみがおむつを3年使う習慣を新たに構築し、それが常識となっていることを考えれば、もしも早期のおまる使用が子どもの人格形成に影響するのだとしたら

良い影響しか考えつきません。

(悪影響は、早期に厳しいトイレトレーニングをしてしまう場合はありえます。)

 

 

I asked a friend living in a Middle Eastern country to give me a snapshot of their toileting norms. I wasn’t surprised to hear that families in the lower class start at 6 months (traditions are more protected and diapers are expensive). The kids of upper-class families with more Western influence don’t use the potty until they’re more like 3.

 

私は中東に住む友人に、通常のトイレトレーニングの様子を写真に撮って送ってほしいと頼んだ。

 

下層階級の家族は(トイレトレーニングを)生後半年からはじめる、というのを聞いて特に驚きはしなかった。(伝統がより重視されており、おむつは高価なものである)

上流階級で、より西洋文化に影響を受けている家族の子どもたちは、おまるは3歳頃になるまで使わない。

 

へー!

西洋文化の影響を受けた上流階級って、おむつ3年使ってるのね。

そう言えば、股割れパンツを開発し、おむつなし育児の先進国として私が尊敬している中国では、最近お金持ちが日本製の紙おむつを大量に買うようになったというニュースを読んだことがあります。

股割れパンツが一般庶民のものだとしたら、紙おむつは上流階級のものなのでしょうか。

 

 

Then she writes, “By the third day (of toilet training), kids are scolded for non-compliance.” Whoops. Here’s where I side with Freud and Brazelton. Shaming a kid or for making mistakes while learning how his body works? Emotionally harsh and potentially damaging.

 

彼女はこのようにも言った。

「子どもたちは(トイレトレーニング開始から)3日のうちに、違反により叱られる。」

 

おっと。私がフロイトやブラゼルトンに味方したくなるのはここのところ。子どもが自分の身体をどのように扱うか学んでいる最中の失敗が恥ずかしいとでも言うの?

 

これは精神的にキツく、ダメージを与えかねない。

 

文脈からすると、ここで言う「子どもたち」とは生後半年でおまるを使い始める子たちではなく、上流階級の3歳の子たちだと思われますが、確かにトイレトレーニングを開始して3日で叱られるとはちょっと気の毒。

3日でおむつが外れる子も中にはいますが、ほとんどの場合もっと時間がかかります。

これを考えれば、確かにブラゼルトン医師の言うような「子どものペースで」トイレトレーニングを進めることは大事なのではないかと思えてきます。

 

 

ブラゼルトン医師は、アメリカのおむつなし育児業界では「パンパースの回し者」として揶揄されていることがありますし、日本においてもアメリカでは医師をはじめ、専門家の発言のせいでおむつ離れが遅くなったと言われることありますが、私は実際彼がパンパースという会社組織から雇われた形でおむつ離れを遅くするための発言をしたのかどうか、までは知りません。

つまり彼にその意図はなく、持論を展開した結果として一般的なおむつ離れが遅くなったのか、もともとおむつが売れるように意図しておむつ離れが遅くなるための発言をしたのか、どちらが真相なのかは定かではありません。

 

 

それはさておき、今回のシリーズ(?)ではややお勉強的な内容となりましたが、日本がアメリカの影響を受けておむつ離れが遅くなっていった理由の一端が見えてきたのではないでしょうか。

結論。

紙おむつ全盛期のいま、そして3歳のおむつ外しが常識となっている今だからこそ、その常識を疑ってみませんか?

誰々がそう言ったから、テレビCMでどうだったからではなくて、目の前の我が子としっかりと対峙してみませんか?

こんなに小さい子にお手洗いは無理だという思考がどこから出てきたのかに思いを馳せ、その思考と目の前の我が子の能力と、どちらを信頼したら良いのか・・・考えてみませんか。

お子さんが0歳であろうと3歳であろうと、夏の暑い時期、おむつの中の排泄よりおむつを外したところでの排泄の方が気持ちが良いのは明らかです。

その時間を少しでも設けてあげられるのは、子ども本人ではなく親なのです。

 

 

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カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。

定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。

つまり、自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのものなのです。

ぜひご活用くださいね。

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