子育てママのための 親育ちカウンセリング

アメリカのおむつなし育児事情3

 

前回までのお話はこちら。

 → 「アメリカのおむつなし育児事情1」

 → 「アメリカのおむつなし育児事情2」

 

 

今更なんですが、タイトルを「アメリカのおむつの歴史」かなんかにすれば良かったかな・・なんて感じています。

おむつなし育児のみならず、トイレトレーニングについてかなり考えさせられる内容でした。

 

 

前回までに引き続き、心理療法医でありお母さんでもある Heather Turgeon という方が書かれた記事を引用します。

私が適当に意訳しているので、その点ご了承ください。

 Potty in the USA: Why we’re slow to the toilet

「アメリカのおまる事情:なぜ我々のトイトレは遅いのか」

 

 

For the first half of the 1900s, doctors and parents debated the how and when of the potty (still training in the first year), but the process took a jump when pediatrician  T. Berry Brazelton established the “readiness” philosophy in the 1960s.

He recommended that parents wait for their toddlers to tell them when they were prepared to tackle toilet training — on their own schedule and completely in their control.

 

1900年代の前半は医師らと親はトイレトレーニングをいつ、どのように始めるかについて議論していたが(とはいえ当時はまだ0歳児に対してトイレトレーニングをしていた)、1960年代に小児科医のT.ベリー.ブラゼルトンが「レディネス」を提唱してからというもの、(トイレトレーニングを始める時期は)大幅に先延ばされた。

 

彼は親に対し、子どもがトイレトレーニングに取り組む準備ができたことを告げるまで待つように勧めた。

子どもが各々のペースに沿って、完全に主導権を握った状態でのトイレトレーニングを推奨したのである。

 

出ました!(゚∀゚)

この方、ブラゼルトン医師がトイレトレーニングに「レディネス」を提唱したんですね〜。

その結果、この考え方が主流になりアメリカにおいては0歳児に対しておまるを使う習慣は廃れていったということのようです。

しかも子どもが自分のペースで、子ども自身がが主導権を握った状態でのトイレトレーニングをしましょうねっていう発想だったんですね。

それだと確かに子どもの心は傷つかないでしょうが、トイトレが長丁場になりそうな気配もありますな。

 

 

ちなみにレディネスは、教育に関してはとても大事な概念です。

平たくいえば、「準備ができた状態であること」と言えます。

例えばひらがなに興味がない子に一生懸命教えることと、すぐにでも文章を読めるようになりたいと思う子に教えるのとでは、結果が全く違ってきますよね。

本当は興味のかけらもない大学に学歴取得を目的としてダラダラ通う生徒と、その大学で特定の講義内容を学びたいために入学した生徒では、学習の深度も進度も全く違ったものになるでしょう。

学習内容に興味を持った状態、すなわち「レディネス」がある状態をスタート地点として学習を始めることで、学ぶ側はストレスを感じることなく、それこそ「努力」という概念を持たずにすんなりものごとを習得していけるのです。

おむつなし育児だって、いくら良いものであっても興味のないお母さんにやらせることはできません。

「なにそれ面白そう!赤ちゃんにとっても良さそう!」と、興味を持ってくれた方にお伝えすれば実践してもらえるでしょうし、結果も出やすいのです。

この小児科医は、ここのところを言いたかったのでしょうね。

トイレトレーニングは無理強いするものではなく、子どもの側の準備がしっかりと整った状態を待って始めなさい、ということだったのだと推測します。

 

 

Brazelton said parents should hold off until the child is at least 18 months.

Tread lightly when it comes to the loo, he noted, because a child’s self-esteem hangs in the balance.

Along with eating, going to the bathroom is one of the only things a kid can truly control; take that control away and you might put a dent in confidence, or trigger behavioral problems.

 

ブラゼルトンは、親は、子どもが18ヶ月になるまではトイレトレーニングをすべきではないとした。

 

そして、その時期が来たら注意深くなるべきだと補足した。なぜなら子どもの自尊心との兼ね合いがあるからだ。

 

食べることに加えてトイレに行くことは、子どもがきちんとコントロールできることのうちのひとつであり、そのコントロールをどこかにやってしまえば自信を喪失させることとなったり、問題行動のきっかけとなる可能性がある。

 

食べることと排泄は子どもがコントロールできることだと言い切ってますが、この概念はちょっと新鮮。

どんな意図があってのことなのかなと少し気になりますが(だって、トイレトレーニングって食事と比べたらそんなに簡単なものではないし)、子どもの自尊心との兼ね合いという点は大きくうなづけます。

ただし、0歳児におまるを使うこと自体は決して悪いことではありません。

自尊心もまだまだ芽生えたとは言えない時期に、排泄という本能的で反射的な排泄行為を介助するだけのことですし、英文だと特におむつなし育児はトイレトレーニングのひとつだという表現をされることはあれど、実質的な内容で言えばトレーニングとは根本的に違いますからね。

さて本文に戻ってみると、当時のアメリカでは0歳児に対しておまるを使うことが主流だったのに、世の中はこの医師の提唱した内容に沿う形で最低18ヶ月間は待たなくちゃという流れになっていったようで、それはそれはかなりの変化だったことでしょう。

 

 

しかし18ヶ月って、今のトイレトレーニングの始めどき(3歳前後)に比べればだいぶ若い。

逆に、なんで今は3歳という常識になってしまってるんでしょうかね?

0歳からおまるを使っていればそれなりに親も排泄の介助に慣れてきそうなものですが、18ヶ月も待ってしまうと子どものみならず親の側がおむつ処理に慣れてしまい、トイレトレーニングに入ろうという気持ちが出てきにくくなり、後手後手に回るのかなという気もしなくはありません。

 

 

続きはまた次回、アメリカ以外の国の事例を考えつつ読んでいきましょう。

 

 

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カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。

定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。

つまり、自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのものなのです。

ぜひご活用くださいね。

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