今日は、夫婦間にありがちなお悩みのひとつを見ていきましょう。
「夫(妻)と結婚する前、
まだ恋愛関係だった頃は、
お互いがお互いのことを気遣い
とても良い関係だったのに、結婚したら
まるで空気のような存在というか、
彼(彼女)が見せていてくれた
恋愛中の気遣いやこちらを見てくれる時間が
極端に減って、
何だか愛されている実感がありません。」
あなたはどうでしょうか。
妻として、夫として、このようなお悩みを抱えてはいませんか?
もちろんご夫婦ごとにいろいろなケースがあるので一概には言えませんが、ひとつ言えることは、このような関係性はとても健全なものである可能性が高い、ということ。
恋愛中の、お互いが常にお互いを気遣い、相手に気にかけてもらっている幸せオーラをまとい、連絡をまめにとり、まるでこころがいつも繋がっているかのような高揚感は素晴らしいものですし、安心感をもたらし、人生を豊かにしてくれますよね^^
さてこの感覚、何かと似ていませんか?
育児をされている方であればピンとくるかもしれませんね。
実は、この感覚は私たちが赤ちゃんだった頃に感じたお母さんとの一体感と似ています。
赤ちゃんや幼児は、お母さんと自分が別々の人である、という感覚がまだありません。
私は幼い時、母との会話の中で母から返された
「だって、お母さんとあなたは違う人だから」
という言葉に、違和感と衝撃を覚えた記憶があります。
「えー!お母さんと私は違う人なの?????(混乱)」
こんな感情が駆け巡ったことがいまだに忘れられません。笑
まさに幼かった私が母と自分とを同一視していたことが見て取れます。
クライアントさんの中には、幼い頃に
「お母さんが死んだらわたしも死ぬ!」
と宣言したとことがあるという方もおられました。
これも、母子の一体感からくるものだと言えるでしょう。
母子の一体感とは、自分の欲求を感じ取り、すぐに満たしてくれる存在(母)が身近にいて、安心感を得て、守られている感覚があり、抱擁され、自分の存在を肯定され続け、無条件の愛を受け取り続けるような幸せな感覚です。
人生の最初の段階でしっかりと安心安全な土台を作るからこそ、私たちはその後別離の体験をし、辛いことに立ち向かうちからをつけていけるのでしょうね。
母子の一体感は、幼い時期にはぐくまれるとても重要な感覚です。
この一体感は私たちの人生の初期に経験した、非常に心地の良いものでした。
その後他人と自分が別々であるということを学び、成長し、恋愛をします。
その時にまた、私たちはこれと似た体験をするんですねー。
それが冒頭に述べた、恋愛時期のお互いがお互いを想い合い、親密な関係性を築く時期なのです。
そりゃ気持ちいいですよ。
だって、まさに一体感ですもの^^
その後、何だか冷めてきたような、愛されていないような・・・・・
という感覚が芽生えるのは当然です。
なぜなら私たちは他者との一体感を経験したあと、成長にともない自分と他者が別個の人間であるという感覚を習得するための別離を経験しなければいけないからです。
いつまでも一体感を持ち続けるわけにはいきません。
彼(彼女)と、または旦那さん(奥さん)との一体感を経験したあとは、あなたと彼(彼女)とは別個の人間であり、それぞれ別の人格と価値観を持っているということを認め合う段階に入るのです。
これは親子関係で言えば、思春期に親と自分は相入れない別々の人間である、と感じたあの感覚と似ているかもしれません。
思春期の親への反抗は、自分の確たる芯、あるいは核を作り上げる時期ですよね。
親に言われてきたことが何だか違う、親の持つ価値観を受け入れることができない、親は自分を理解していない、そんな感覚があったと思います。
その過程を経ると今度は「自分と親とは違うんだ」、というしっかりとした境界線を持ち、親への反抗は終わりひとりの大人として親に接していけるようになったのではないでしょうか。
そのような成長過程と夫婦関係とはよく似ているように思うのです。
一体感を感じたあとの別離、そして、自分が相手とは違っていることを認め、相手が自分とは違っていることをお互いに認め合う段階に入る。
この構図ってまさに人間の成長そのものですよ!
もちろん甘美な一体感を経験したあとに別離を体験するのは辛いことです。
しかし、いつまでもずーっと彼(彼女)との一体感や高揚感を感じ続けることはできません。
もしそのような状態が続くとしたら、境界線のない不健全な関係性になってしまうでしょう。
結論として、冒頭のお悩みは、夫婦として今後健全な関係を築いていく上でとても重要な過程を経ている可能性が強い、ということです^^
先にお断りした通り、もちろん他の要素が絡まりつつ問題が発生している場合もあるため、お悩みに対しては個別に詳しくお話を伺わないと見えてこない点はありますが、この記事を読んで腑に落ちたという場合はあまり心配しなくて良いと思います。
しかし、心配しなくていいということは良くわかったけれど、この過程が非常にきつい、辛い、誰かに寄り添ってほしい、具体的にどうやって対処したらいいのかわからないという状態であれば、カウンセラーの利用をお勧めします。
ご自身が乳幼児期に体験した母子の一体感の形成時に何らかのひっかかりがあり、それを大人になってから他に求めている場合もありますし、専門家に相談されることはとても有効です。
カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。
定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。
つまり、✨自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのもの✨なのです。
ぜひご活用くださいね。
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