前回の記事の補足です。
→「恋愛中は良かったのに、結婚したら冷めてきたような・・・」
前回の記事の概要は、幼い頃に形成された母子の一体感と、恋愛中の相手と分かり合える高揚感とはとても似ていて、夫婦関係そのものの成長は私たちが辿ってきた成長の過程とよく似ている、という内容でした。
まず、母子の一体感は専門的に言えば「二者関係」と呼ばれています。
この世の中に自分とお母さんの二人しかいない状態、言い換えれば
「私にはお母さんさえいてくれれば大丈夫❣️」
という状態です。
赤ちゃんや幼い子にとってのお母さんの存在は非常に大きなものであり、自分の不快(空腹、眠い、不安など)を快(満腹、睡眠、安心など)に変えてくれ、自分の存在を無条件に認めてくれて惜しみない愛を注いでくれる大切な存在です。
このような存在がいなくなってしまえば命の危険すら感じられるため、幼い子は親の不機嫌な顔を見ただけで強い不安を持つと言われています。
私たちの人生は二者関係からはじまり、三者関係に至ります。
世界に自分とお母さんのふたりだったのが、お父さんが加わることで三者関係となっていくのです。
もちろん普通のご家庭であればお父さんは赤ちゃんが誕生した瞬間から存在して一緒に生活していますから、不思議に思われるかもしれませんね。
物理的なものとこころの中の動きは必ずしも一致しないため、二者関係の段階では赤ちゃんのこころの中にはお父さんはまだ存在していなかった、と言えるかもしれません。
さて、前回の記事では恋愛における一体感、以心伝心、分かり合える安心感は、私たちが幼い頃に感じていた(あるいは欲していた)二者関係とよく似ていることが見えてきたと思います。
ではこれがなぜ長続きしないのか?
ということは、私たちが成長を続けている存在だからです。
この場合、二者関係から三者関係に移行することが成長だと言えるでしょう。
逆説的に、恋人間、夫婦間で二者関係のままでいる、つまり三者関係に発展しないとどんな不都合が生じるでしょうか。
例えば旦那さん(奥さん)が
「今夜はちょっと友達と飲みに言ってくるね」
と言ったとしたら、強い不安を抱くことがあるでしょう。
なぜなら自分と相手との密な関係が、第三者によって崩されるような不安が出てくるからです。
この感覚は幼い頃、下に妹(弟)が生まれてお母さんを独占できなくなったような辛さと似ているかもしれませんね。
「私がいないとこの人はダメなんだ」
「私が彼(彼女)の支えにならなければ」
「この人を理解できるのは私だけ」
恋人間や夫婦間で生まれてくるこれらの思いは、もちろん正常である場合もありますが、依存という形から生まれてくることも多くあります。
私たちは、いつまでも乳幼児のように母親に依存しきって生活することはありませんよね。
それと同じように、私たちは恋人や配偶者に依存する必要もないのです。
正常な恋人間、夫婦間の人間関係は対等なものであり、親子関係とは明らかに違います。
恋人間や夫婦間で築き上げた二者関係が、自然と三者関係(子どもの誕生、近所づきあいや友達づきあいなど)に移行すれば夫婦としての健全な成長となるでしょう。
しかし、いつまでも二者関係のままだと依存体質を生んでしまい、相手を束縛したり相手の言動が必要以上に気になったり、ということが起こり得ます。
「結婚後、
何だか関係が冷めてきたような・・・
私、愛されていないのでは??」
このお気持ち、よくよくわかりますよ!
でもね、愛って必ずしもラブラブな密着したあまーい状態だけを指すものではないのです。
夫婦としてこれから何年も共に過ごしていくのだから、お互いが人として成長し、お互いの関係性も成長させられるのですよ。
その中で見えてくる、今までとは違った形の愛をゆっくりと育んでいきたいですね。
カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。
定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。
つまり、✨自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのもの✨なのです。
ぜひご活用くださいね。
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