子育てママのための 親育ちカウンセリング

幼児の性器いじりと性に対する考察 1

 

私は独身時代、都立高校で3年間教員をしていたことがありました。

やんちゃな子が多めの高校だったため、タバコを発見してしまうことは割とよくあることで、そのほか他の高校からわざわざ喧嘩を売りに来る生徒の対応をしたり(一発ヤらせろ!と言われたこともある)、ここには書けないあんなことやこんなことの処理に追われ、授業の準備は一体いつしたらいいんだ!(」°ロ°)」な状況が思い出されます。

きっと別の高校に勤務したら全く違った環境だったのでしょうが、私にとってはこの高校での勤務、特にやんちゃな生徒とのやりとりはこの上なく楽しかったです!

今までいろんな職業を経験してきましたが、今でも教員だった時の経験は私の宝物です。

 

 

高校での勤務時代、ときどき女子生徒が露出狂や痴漢被害に遭うことがありました。

「せんせーい!!学校くる途中で触られたっっ!!!」

私が一番反応したのが、こういった場面。

「なに!?触られただと!どこで!?」

思いっきりママグマモードになります。

大概の場合、被害に逢った女子生徒たちはあっけらかんとしており、恥じ入る様子もなければ泣き寝入りな気配もありません。

それはそれで素晴らしいと思うし、きちんと教員に報告できるんだから立派なものです。

 

 

ただ、中にはどう反応したら良いのかわからないような子もいました。

教員に報告はしてくれるんだけど、若干無表情。

そんな時は、

「こんなこと絶対にあっちゃいけないことなんだよ。もっと怒って良いんだよ!!」

と伝えていました。

もちろん今でもこの考えに変わりはありません。

高校生と言えどもまだ子ども。

子どもが性的な被害に遭うのは心底こころが痛みます。

 

 

しかし、のちに読んだこの本によって、性の扱いや捉え方が変わりました。

 

「夜這いの民俗学・夜這いの性愛論」赤松啓介 著

 

この本によってかつての日本では性のあり方や生殖に関することって、タブーではなかったどころかものすごくオープン・・・というより、日常の一幕にすぎなかったのか!!ということを垣間見ることができました。

著者である赤松啓介氏は、民俗学の第一人者である柳田邦夫氏を「性とヤクザと天皇を除外している」と指摘し、ご自身はその方面を熱心に研究されていたようです。

赤松氏の記述は、各地域の聞き取り調査の産物であることから説得力があるものの、現代の常識である「強姦どころか痴漢すら立派な犯罪」というものと比べるとあまりにもかけ離れている、「そもそも日本には強姦などという概念は存在していなかった」とする部分にはのけぞりましたが(夜這いが普通どころか近親相姦ですら異常なことではなかったらしい)、西洋文化とともに性をタブー視する思想が日本に入り込んだというところには共感しました。

そもそも私たちは生まれた時から西洋文化の入り混じった環境で育っているので、かつての農村とは全然違いますもんね。

 

 

おむつなし育児を研究されている三砂ちづる先生によると、赤松氏の主張のように、かつての日本では女性の乳房は性的なものと認識されてはおらず、農村部では隠すようなものですらなかったそうです。

しかし西洋文化が入り込むようになり、乳房は徐々に性のシンボルのような扱いになっていった。

このことは確か、ご著書の「オニババ化する女たち」に書かれていたように思います。

(違ったらごめんなさい・・。今手元に本がないので記憶だけで書いています。)

これもなかなか興味深い考察ですよね。

個人的な見解ですが、江戸時代に描かれた春画からは乳房が性の営みに関係していることが見て取れるため、農村部と都市部(?)とはちょっと違ったのかな、という印象を持っています。

 

 

さて、高校生の女子生徒をめぐっては実にさまざまなできごとがありましたが、ひとつ大事だと思う点があります。

それは、かつての日本ほどオープンにする必要はないとは思いつつも、少なくとも性をタブー視させたり卑猥なものとして語るのではなくて、むしろ積極的に同性、異性に対する正当な知識(中立な立場からの知識)を与え、その上で自分自身の性に対して偏見のない意識を持つように指導すること。

もちろん女子生徒だけにではなく、男子生徒に対しても同様です。

女子は男性の性を知っておくべきですし、男子は女性の性を知る必要があります。

私たちは性があってこその生を生きていることを、正面切って認識する必要があるのではないでしょうか。

性に対してきちんと相談できる場所も必要ですし、親が性に関する質問を受けたときにはぐらかさず、正当に答えることも大事だと思います。

 

 

幼児の段階、特に男の子においては顕著な性器いじりの過程があります。

性教育は何も高校生になってから始めるものではなくて、私は幼児の性器いじりの段階から始まっていると考えています。

親が性器いじりを否定し、そんなところ触ってはいけないと禁止すれば、人生の初期段階から自分の身体に対する理解や性に対する認識そのものがネガティブなものとなり得ます。

親の側に性に対する後ろめたいような認識がある場合、幼児の性器いじりがはじまると子どもが何か悪いことをしているように思えてしまい、やめさせたくなる気持ちが強く働きがちですが、そんな時にこそご自身のこころの中を見つめ、性に対する認識を見つめ直されてみてはどうでしょうか。

ここでもいつもの「内観」です。

 

 

排泄を単に汚いものと扱うのではなく、むしろ真正面から見据えるおむつなし育児と同様に、性器いじりの時期をもまるっと受け止め、子どものひとつの成長過程として捉えていきたいですね。

(幼児期の自慰行為についてはまた別の話題になるため、ここでは一般的な性器いじりについての記載にとどめています。)

 

 

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カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。

定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。

つまり、自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのものなのです。

ぜひご活用くださいね。

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