いよいよ10月にもなると、日本は涼しい日が続いている頃でしょうか。
今年は大型の台風が何度も来ているそうで、何事もないようにと祈っております。
こちらオレゴンの内陸では、広葉樹が赤やら黄色に色づいた葉を落としはじめ、秋がどんどん深まってきています。
今日は、インスタグラムに頂いたコメントから、一昔前のおむつ外しについて書いていきますね。
昔はみんな、0歳代でおむつは卒業してたわよ。
1歳になったら、普通はおむつなんて外してた。
などなど、ちょっと前のおむつ外しに関しては、私たち母親が焦ってしまうようなネタが多く転がっているようです。
しかし、一昔前と今の社会では一概に同じ基準で言えないことがあり、現代では必ずしも昔のように1歳前後でおむつを外すことが可能とは言い切れない部分があるように思います。
私は1977年生まれです。
私の母は、
「私たちが子育てしていた時代は、紙おむつがまだ一般的ではなかった。
紙おむつがなかったわけではないけれど、とても高価だったし、布おむつのほうがずっと一般的に使われていた。」
と言います。
実際のところ母はキャリアウーマンで、妊娠中の勤務はもちろんのこと、産後はすぐに職場復帰していますが、それでも紙おむつではなく、布おむつという選択肢しかなかったようです。
私や姉が預けられた保育園でも、布おむつしか使用していなかったと言います。
今は紙おむつ全盛期。
布おむつで育てていると言うだけで、「えー!」と驚かれることすらあるほどです。
布おむつと紙おむつの差は、まず、お世話する側の使い心地が大きく違います。
布おむつは、おしっこをちょっとちびったくらいであっても、すぐに交換する必要があります。
紙おむつのように、おしっこを2回分、3回分ためるなんてことは、まず無理。
ちょっと大きな赤ちゃんだったら、おしっこ1回分であってもびちゃびちゃですから。
それと、ゆるいうんちの時には、漏れることだってよくあります。
おむつカバーがキャッチしてくれることもあるけれど、外に滲みてしまうことは珍しくはありません。
簡単に言えば、
「布おむつ=漏れることが珍しくない」
「紙おむつ=漏れることがあまりない」
という差でしょうか。
もうひとつ大きな差と言えば、紙おむつはくるくる丸めて捨てれば良い。
しかし、布おむつは一回一回洗う必要がある。
紙おむつの場合、ある育児サイトによると、新生児は1日に8回〜10回は交換しましょうと書かれていました。
しかし、我が家の子どもたちの場合は、新生児時期には日に30〜40回ほど排泄をしていたため、布おむつを使用した場合はもちろんその回数(30〜40回)おむつを交換しなければいけません。
もちろん紙おむつであっても、日に何十回も交換されている親御さんは多くおられると思います。
ただ、布の場合は洗濯するという行程があるため、紙おむつよりも「濃く」排泄物と接する必要が出てくる、ということが見えてきますね。
多少の差に思えるかもしれませんが、この差は大きいです。
布おむつがすたれて紙おむつが主流になり、漏れることが前提とされなくなった時点で、まず、お漏らしに対する親の捉え方が大きく変化しているのは明白です。
上記のおむつ事情を鑑みて、一昔前の、「お誕生日が来る前後におむつを外した」というのは布おむつを基準としたものであると想定すると、おむつをつけていてもよく漏れることや、赤ちゃんをお世話する親の側が、日々のおむつの洗濯によって排泄物を扱うことに慣れていることでしょう。
当然そこには親の、排泄物の処理に対する「抵抗感」が、紙おむつを使用している場合と比べて少ないであろうということが見えてはこないでしょうか。
紙おむつが珍しく、布おむつが一般的な世の中だったら、出先で漏れてしまうなんてことだってよくあったと思われます。
今は何でも除菌、何でも殺菌、プラスチックですら抗菌加工という概念が浸透していますが、私が小さかった頃はそんなものはありませんでしたから、お漏らしがあっても「さっと拭いて終わり」だったのではないでしょうか。
何歳でおむつを外したってその後しばらくは時々お漏らしがありますし、社会的にもお漏らしに対する抵抗感が少なかったようにも思えてきます。
少子化社会の今と違い、子どもが沢山いた時代は、お漏らし事件はそこら中で頻繁にあったでしょうしね。
「1歳前後でおむつを外していた」ということにはこのような背景があると考えると、今のように
「子どもが完璧に排泄をコントロールできるまでは外せない」
という考え方ではなくて、
「多少お漏らしがあったっておむつを外してしまい、実践でコントロールを強化してもらおう」
という意識が強かったのでは、と考えられます。
言葉を変えると、子どもがまだ完全には排泄のコントロールができない段階であっても、お漏らしすることを受け入れる前提でおむつを取っていた、とも言えるでしょう。
子どもの側としては、布おむつを使用して排泄するごとにおむつを替えてもらっていたら、排泄物が身体から出ていることを認識しやすく、コントロールすることを学習しやすい傾向にあります。
紙おむつで、何度か排泄してから交換されるという場合、しかもそれを3年間続けていた場合、「排泄物を無意識に出すこと」が続いてしまい、「お尻に常に排泄物がくっついた状態が普通」ということを学習しやすい傾向にあるため、おむつ使用は1年間のみ、しかも頻繁に交換されていた場合と比べると、排泄のコントロールを学ぶのには時間がかかってしまって当然だということが言えそうです。
今の常識では、
「0歳、1歳でおむつが外れるなんてあり得ない」
「3歳頃まで待たなければ、膀胱の機能が発達しないため、おむつは外れない」
という考えが浸透しています。
しかし、実際のところ、おむつなし育児(赤ちゃんが排泄したそうにしているときに、おまるやトイレに排泄させる方法)を実践した我が家では、一般的なトイレトレーニングは必要とせず、第一子は14ヶ月でおむつ卒業、第二子は2歳のお誕生日過ぎに卒業、第三子は14ヶ月の現在、排泄の前にベビーサインで教えてくれたり、自分でおまるにまたがり排泄するようになったため、おむつは外出時以外は使用していません。
第二子の時は、私の離婚問題や住宅事情(賃貸で、風呂トイレと台所以外全面カーペット!)があったため、おむつを利用する時期が長くなったものの、排泄を自分でコントロールし始めた時期は3人とも揃って1歳代でした。
そのため、冒頭の「1歳になったら、普通おむつなんて外してた」というの、その通りだったんだろうなと感じるのです。
そして、現代の「3歳頃まで待たなければ、膀胱の機能が発達しないため、おむつは外れない」ということだって、もちろん頷けます。
なぜなら紙おむつが一般的になった背景と、我が家の第二子の時のように、家庭の事情や住宅事情がお漏らしを許さなかったり、そもそもお漏らしに対する社会通念に変化があるからです。
結論として、親御さんは、焦る必要はありません。
いくらご自分のお母さん、お姑さんや、親戚の方に
「1歳になる頃にはおむつを外すものよ!」
と言われたって、それは気にする必要はありません。
おむつなし育児研究所によれば、赤ちゃんに自然な排泄を経験させ続けた場合、1歳〜2歳頃に排泄の自立(おしっこやうんちをしたい時に周りの大人に教えたり、自分でおまるやトイレに行くこと)を迎えると言いいますし、これは私の経験上、その通りだと感じています。
そのため、布おむつやおむつなし育児を取り入れている場合、3歳まで待たずともおむつを外すことが可能です。
しかし、前述した通り、現代では社会通念上、お漏らしをしてまわるということができにくい。
そのため、布おむつで一生懸命頑張って1歳頃におむつを外すことをゴールに掲げ、そこにこだわるのではなく、赤ちゃんの排泄の自立が始まったらそれを手助けし、徐々におむつを外していく、という方向で良いと思います。
「おむつが外れる=お漏らしがなくなる」
あるいは
「お漏らしがなくなる=おむつが外れる」
ということはありません。
1歳でも2歳でも3歳であっても、おむつを外したあと、お漏らしはしばらく続きます。
おむつが外れてしばらくした後、もうお漏らしのことなんて忘れかけてきた頃のお漏らしのぶり返しだってよくあることですし、お漏らしが完全になくなるまでおむつを取らないという訳にもいきません。
現代の生活では一昔前のように、お漏らしがあったって平気平気〜おおらかに〜という訳にもいかないでしょうが、ひとつの情報だけに固執せず、多角的に情報を利用し、しかし情報を真ん中に据えるのではなく、飽くまでも赤ちゃんを中心に据えて生活していきたいですね。
ハイハイする時期、歩き始める時期に個人差があるのと同じように、排泄の自立が始まる時期にも個人差があります。
他の子と比べて焦ってみても、我が子は個性豊かな存在です。
他の子の成長ペースとは、違っていて当たり前の我が子ですから。
カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。
定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。
つまり、✨自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのもの✨なのです。
ぜひご活用くださいね。
*お知らせ*
親教育の翻訳に関わる企画を優先させるため、
しばらくカウンセリング業務はお休みします。
再開時期が決まりましたらお知らせいたします。
赤ちゃん手話×おむつなし育児講座は、
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