前回の記事では、私たちが日々受け取る現実は「こころの中身」によって変わる、ということを書きました。
このことについて別の面から考えてみると、こんな状況に当てはまります。
朝、あなたが出勤しようとして家を出て
駅までの道を歩いていたら、
並木が色とりどりに色づき
ハラハラと散り始めていました。
この状況を目にしたあなたは、どんな感情を持ちましたか?
ちょっと一呼吸置いて考えてみてください。
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さて、今のあなたのこころにはどんな思いが出てきたでしょうか。
特に正解はありありませんよ。
ただ、今出てきたあなたの答えが今のあなたのこころの状態を表している、と言えるのです。
では、今度はこの状況をふたつのこころの状態を通して見ていきましょう。
もしもあなたが絶好調の恋愛真っ最中だったら?
色づいた紅葉を目の前にして
何て美しいの!目に鮮やか!ロマンチックだわ〜
という感情が出てきても不思議ではありませんよね。
では反対に、あなたが失恋した直後だったら…?
ハラハラと散り始めた葉っぱと自分のやるせない状況が重なり合い、冬に向かう寂しさやら厳しさのようなものを感じ取り、
季節って無情よね… あー切ない…
なんてしんみりすることがあるかもしれません。
葉が色づくことも、葉が散るということも、それ自体に意味はありません。
冷静に中立的に捉えれば、単なる自然のサイクルであると言えるでしょう。
では、それらの現象に意味づけしているのは誰?
そうです。
私たち個人個人が、その時々のこころの状態によって出てくる感情で物事に意味づけをしているのです。
そのため私たちのこころの状態が変われば同じものを見ても別の意味づけをすることがあるし、全く別の思いを抱くことがあるのです。
これを人間関係に当てはめると、こんな例が思い当たります。
あなたは少し年上の同僚A子さんのことをとても尊敬し、常々いい人だなぁと好感を持っています。
そのA子さんと、偶然にも休日の映画館でバッタリ出くわしました。
その時のA子さんの口からはこんな言葉が。
「あら!あなたこんな場所で何してるの?」
あなたとしては、A子さんと偶然会えてちょっと嬉しくなりますよね。
では、今度は近所のママ友のB子さん。
この人はズケズケと物を言い、あなたにとっては苦手な存在です。
できればあまり顔を合わせたくはないと感じています。
そのB子さんと、やはり同じ映画館で出くわしてこう声をかけられたらどう感じますか?
「あら!あなたこんな場所で何してるの?」
「どこに行こうと私の勝手でしょ!あなたに何してるのなんて言われたくないわ!」という感情が生まれるかもしれません。
このように、たとえ全く同じ状況で同じセリフで声をかけられても、あなたがその人物をどう評価しているか、つまりあなたのこころの中に何があるかによって出てくる感情は変わってくるのです。
しかし、A子さんやB子さんに対する評価はあなたの個人的なものであり絶対的、普遍なものではありません。
A子さんのことをよく思ってない人もいるでしょうし、反対にB子さんのことを尊敬している人だっているでしょう。
あなたとは逆の思いを持っている人にとっては、A子さんB子さんに声をかけられた場面では全く別の思いが出てくるのです。
先ほどの紅葉と落ち葉の例と同じですね。
繰り返しになりますが、私たちのまわりで日々起こる出来事や物事は、常にニュートラルで中立的です。
それらに意味づけして感情を生み出しているのはまぎれもなく私自身であることを認識できれば、ちょっと引いた目線で
「『私が』いま、こう感じているんだな」
と確認することができますよね。
少しずつでもこれができるようになると、勝手に沸き起こる感情に支配されるとか、感情が暴走してしまい夜も眠れないとか、そういうことが緩和されていくのが感じられてきますよ^^
今日のポイントふたつのおさらいです。
*物事は常に中立であり、もともとそれに意味はない。
*中立な物事に意味づけして感情を作り上げているのは、私自身である。
ストレスを感じがちな場面でどう自分が変わっていくか気になったら、ぜひ試してみてくださいね。
カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。
定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。
つまり、✨自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのもの✨なのです。
ぜひご活用くださいね。
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