前回の記事では小さい子の行動や反抗に対するイライラは、子どもそのものが原因ではなかった、ということを書きました。
今度はどうしたらイライラを軽減していけるか?を考えるとともに、前回とは別な視点からイライラの形成を見てていきましょう。
今回ご紹介する方法は、やはり内観。
私たちが過去にどのような行動パターンをどのようにして採用したのかを探っていく方法です。
例えば子どもがいうことを聞かず、モノを放り投げたとします。
この行動に対し、親としての対処は十人十色でしょう。
- 子どもは何が不満なのだろうかと考えてみる
- 言うことをききなさいと注意する
- 激昂して怒りをぶつける
- あらあら、そんなことしちゃダメよと優しく言う
- なんとも思わないので言及せず
- 反抗期だと思って諦める
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状況によりけりだしどれが正解、というものはありませんよね。
もちろん模範解答もありません。
もしも「激昂して怒りをぶつける」という対応を取ってしまう場合、もちろん先の記事に書いたような自分の中にもともとあった怒りが噴出した、ということがあるのですが、それとは別に「この対応方法を過去に学習したため」という可能性があげられます。
例えば幼少期にあなたがおなじようなこと(モノを投げる)をしたとき、いつも親にコテンパンに怒られた経験があったとしたら、
モノを投げる=強く怒られた=怒らなければいけない
という構図があなたの中に出来上がります。
自分の中にこのプログラムがあるからこそ、同じ状況が出てきたときにほとんど反射的にその通りの行動をとっているのです。
これは家の中に入ったら何も考えずに靴を脱ぐ、というくらい自然にでてくる行動だとも言えるでしょう。
感情をぶつける以外に子どもの行動をたしなめる方法はいくつもあると知っているにも関わらず、いつも決まって感情的に怒りを噴出してしまうのは、自分自身の中に解決のヒントが隠されていることが見えてきます。
自分の中を深く見つめ、
「自分が今までの人生の中で、
どんなものを
どのようにして採用してきたのか?」
ということを観察すると、見えてくるものがあります。
いつもついつい感情的になってしまう・・・
怒るのをやめたいのにやめられない・・・・
という行動パターンがある場合、その行動パターンが始まった原因となる経験があるはずです。
それは、もう思い出したくない記憶かもしれません。
しかし、ここが根っこなのです。
あえてその場面と対峙することで、その行動パターンを書き換えていくことが可能です。
もしも
「なるほど、私の場合そうかも!」
と感じられた場合、ご自身の行動パターンが形成された過去を消化し、昇華させる準備が整っていることに気がつかれるのではないでしょうか。
自分が幼少期にどのようなことを学び、受け取り、採用してきたかによって知らず識らずのうちに私たちの行動パターンが形成されていくため、自分の子どもに対しても、無意識に同じことを再現しがち。
良くも悪くも幼少期に受け取ったものに気がつかないままそのまま受け継ぐことで、無意識的に子どもにそれ(行動パターン)を渡すこととなり、その子が親になったときにもそれを子どもに渡す可能性が高まります。
しかし、その連鎖に気が付くことさえできれば、方向性を修正していけます。
もしもご自身の中に感情的になる行動パターンが見えてきて、子どもに対して同じパターンを教えこみたくないと感じているのであれば、ご自身の中に何を抱えているのか一度見つめてみることが有効です。
前回の記事同様、今回もイライラの正体は子どもではない、という内容でした。
私たちは概して外側ばかり見て原因探しをしがちですが、時には静かにこころの中を見つめることで、有効な変化をもたらすことができますよ。
カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。
定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。
つまり、✨自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのもの✨なのです。
ぜひご活用くださいね。
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