前回の記事の続きです。
前回は、トイレトレーニングを始めた子どもがトイレを怖がる場合、「まずその恐怖心をなくしてあげる必要がある」ということを心理学の側面からご説明しました。
今回の記事を最初に目にされた方は、ぜひ前回の記事をお読みくださいね。
理解が深まると思います。
では、今回の記事では
「トイレを怖がる子には、具体的にどう接していけばいいの?」
について書いていきます。
お子さんがトイレを怖がる場合、まず避けてほしい言葉掛けふたつをご紹介します。
このふたつの言葉がけ、ついつい言っちゃいがちなのですが。
①「怖いわけないでしょ!」
→ 暗闇やお化けと同様に、
お母さんにとって怖くないものでも
子どもにとっては怖いので、
子どもの素直な感覚(怖い)を
まず認め、その感覚を持ってもいいと
許可することが必要です。
恐怖心をなくす努力をする前に、
その恐怖が間違いなく存在することを
まず認める。
これが大事です。
②「やればできる!」
→ やってもできないことがある上に、
強い恐怖心がある時点で
成功できるものも成功しません。
それに追い打ちをかけるような
言葉がけは、
本人にとっては辛いことがあります。
やったからできたでしょ?という、
出来た後の使い道には賛成です ^^
この他にもいろいろとありますが、まずはこの視点を持ちましょう。
自分(お母さん)にとっては当たり前のことが、子どもにとっては全然当たり前のことではない。
この視点を生活上の他の出来事に例えるならば、こんなこと。
あなたの家に知人の外国人が訪ねてきて、当たり前な顔して土足で上がり込んで来たらビックリしますよね。
しかし、その人はなぜあなたにドン引きされているのかわからない。
もしもお互いが「日本人は靴を脱いで家に上がる」「この人の文化圏は靴を履いたまま家に上がる」という認識をもっていたならば、お互い歩み寄る、妥協する、あるいは相手の文化を思いやるなどの行動が出て、余計なトラブルは避けられるでしょう。
それと同じように、家庭内であっても子ども(相手)が親(自分)とは違った感覚を持っていることを、まず認めるのです。
子どもからの申告「トイレが怖い」があったら、「あ、○○人だから土足なのか」という認識を持つのと同様に、その「怖い」感覚を肯定します。
「怖い」感覚をどうやってなくしていくかを考える前にまず、「怖い」気持ちがあるということを認めるのです。
具体的な言葉がけとしては、こんな風にどうぞ。
もうね、全面肯定です。
お母さんが、お子さんの恐怖克服カウンセラーになってください。
「そうだよね。〇〇ちゃんにとってはトイレは怖いよね。」
「怖いって感じるんだね。そうだよね。初めてだもんね。」
「トイレが怖いんだね。そう感じるんだね。」
「トイレでおしっこ(うんち)するのは怖いんだね。」
そのあとで、こんな言葉がけをしてみてください。
怖さが消える未来へと誘導するような気持ちで、どうぞ。
「今は怖くて当たり前だよ。それでだいじょうぶ。
でもね、だんだん怖さがなくなってくるからね。」
「怖い気持ちはずーっとは続かないよ。
少しずつ、だいじょうぶになってくるからね。」
「お母さんが一緒にいるからね。」
私たち大人も、頭ごなしに言われるとやる気がそがれたり、自分のことを否定されたと感じがち。
子どもも同じです。
まずは、子どもの持つ独特の感覚が自分とは違うことをお母さんご自身が認識し、その感覚を持っても「良い」と許可すること。
これを試してみてくださいね。
自分の感覚を認められた子どもは、そのあとで「怖い」感覚を持たなくても大丈夫なんだというステージに向かえます。
親に「怖い」感覚を否定され、この気持ちは持ってはいけないものだとこころの奥底に無理やり押し込めることで恐怖を克服するよりも、ずっとずっと健康的に克服していけますよ。
カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。
定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。
つまり、✨自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのもの✨なのです。
ぜひご活用くださいね。
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