「愛着障害」という言葉、聞いたことがありますか?
私、最近この言葉をよく耳にするなーと感じています。
専門的な言葉だと思うのですが、なぜか普通のご家庭からもこの言葉が出てくるのにはびっくり!
愛着障害の意味は、おおまかに言うと親から十分な愛情を受け取らずに育ったため、問題行動を起こしたり対人関係などで障害が出ることを指します。
必ずしも虐待や放置がなくても愛着障害は起こり得るようです。
参考ページ:
この言葉を知っている方も知らない方も、お子さんに愛情をたっぷり注がないとダメでしょ!という気持ちで普段から気をつけていることはありますか?
あります!と答えられる方は多いのではないでしょうか。
愛情不足が原因となって問題が起こるということは、特に専門知識がなくとも一般的に知られていることですものね。
でもね、子どもに問題が起きないように優しくして、お世話して、というのだと、どうしても無理が出ます。
なぜ?????
理由は、育児の動機が不安からくるものであって、本当の意味での愛情からくるものではないから。
ちびっこは、実に繊細に親の思いを汲み取っています。
大人が表と裏のある行動をすれば、それをしっかりと感じ取っています。
沸き起こる愛情で接してくれるのであれば安心感や自己肯定感を得られやすいでしょうが、不安からくる行動だったら・・・・?
ではどうしたら沸き起こる愛情を動機にした心からの育児ができるのでしょうか。
それは、親の側のこころの問題を解決しておくことで可能になります。
例えば自己否定や罪悪感の強い場合、帰宅した旦那さんがムスッとしていたら
「私、何か気に触るようなことしたかな」
と不安になるかもしれません。
被害感を持っている場合は、
「旦那にひどい態度をとられた!」
という感情を抱くことがあるでしょう。
しかし、こころの中に抱えるものがなければ相手に投影することが(ほぼ)ないため、旦那さんがムスッとしていればすぐに
「どうしたのかな、会社で何か嫌なことでもあったのかな?」
という見方が出てくるかもしれません。
(厳密に言えばこれも投影ですが、最初の二つの例とは異なり自我が大人しい状態です。)
さて、これを赤ちゃんのお世話当てはめてみましょう。
自分に親としての自信がないと感じている場合、
「こうすべき」
「こうあるべき」
「こう見られたい」
というような意識が強く生まれることがあります。
親としてのあるべき自分の理想像に追いつきたくて、無意識にゴールを設定している状態です。
本当は育児に疲れてしまい、投げ出したい時があるのに、常に「良い母親」を演じていないと不安が生まれてしまい、自分の休息とメンテナンスを後回しにして赤ちゃんのお世話に励みます。
そして、こういう時は他のお母さんが手作りではなく市販の離乳食を使っていたり、赤ちゃんを誰かに預けて美容院に行ってたりするのを批判的に眺めてしまいがち。
なぜなら以前の記事に書いたように、自分の中にある枠「こうすべき」は、自動的に他者にも当てはめてしまう仕組みがあるからです。
では、以下のふたつではどちらが本当の意味で子どものためになると感じますか?
1)自分が抱える欲求(たまには休憩したい、自分のメンテナンスをしたいなど)に目を向けて、こころの中にアレコレ欲求があることを素直に認め、人の手を借り実行に移し、ストレスを積極的に解消する。
2)自分のこころの中にあるものにはフタをして、自己犠牲の精神で赤ちゃんに良いであろうことを休みなく続け、理想的な「良い母親」になり続ける(または理想に近づこうと努力し続ける)。
私は、1だと思います。
2が続いてしまえば、身体的にも精神的にも夫婦関係にも弊害が出てきそうに思えませんか。
育児とは、正直くたびれるものです。
私たちはそれを延々と20年ほど(きょうだいがいればもっと長く)続けるのですから、時には休息だって必要だし、自分自身のメンテナンスだって欠かすことはできません。
時には自分のこころの中を覗き、欲求を認め、スッキリさせて、子どもに対する沸き起こる愛情を感じながら生活していきたいですね。
そしてこれは、理想的な話ではありませんよ。
どんな人にも可能です。^^
内観(こころを見つめること)によって自分らしさを取り戻しつつ、こころからの笑顔で育児を楽しんでいきましょう。
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定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。
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