久々におむつなし育児に関する記事です。
おむつを常用し、おむつの外に排泄する経験がゼロのまま2年、3年と月日が流れると、どうしても子どもはトイレやおまるでの排泄を躊躇するようになります。
なぜか?
私たち大人がトイレに排泄することを習慣としているのに、ある日突然「おむつに排泄してください」と言われたらどうでしょうか。
まず、想像するだに難しい。
恐る恐る試し、なんとか小は成功したとして、大はどれほどの労力を要するでしょうか。
慣れとは、そういうことなのです。
しかし、これは単なる「慣れ」や「習慣」が形成される仕組みです。
ここに「良い」とか「悪い」を付属させることとは違います。
おむつなし育児をしていると、おむつに頼り切ることに対して否定的な意見に出会うことがあります。
おむつを長期間使うことは親の怠慢であるとか、赤ちゃんに悪習慣をつけているにすぎないという、比較的強い意見。
私もかつて、そういう考えを持っていた時期がありました。
でもね、長くおむつなし育児に関わってくると、紙おむつだろうが布だろうがおむつを使用することそのものが良いとか悪いの話ではないと感じられてくるのです。
この面から見たらこのような弊害があり、こっちの側面から見たら良くないと思われることがある。
良くないことの例をあげれば、上述したような「習慣づけ」や紙おむつの場合「合成ポリマー」「便秘」「頻尿」など、さまざまなものがあげられます。
では良い側面は?
まず大きな点としては、お母さんの負担が軽減されるということでしょうか。
特に赤ちゃんがまだ小さいうちは、お母さんの産後の回復期でもあります。
15分から20分おきに排泄する赤ちゃんにかかりっきりになってしまっては産後の回復もままならないことがありますし、本調子でない時期に無理しておまるを使う必要はありません。
この時期はしっかりと休んでいないと将来的に健康面に影響が出るとも言われていますし、私も自分自身の出産経験を経て、産後のこころと体の回復はその後の人生を左右するほどとてもとても大事なことだと実感しています。
特に共働きが当たり前になり、核家族化が進み、周りの人はおろか家族にすら頼ることが難しいこの時代に、お母さんにとってはおむつを使い続けるメリットは非常に大きなものと言えるのではないでしょうか。
では、「習慣づけ」という部分を母乳に当てはめてみましょう。
おむつの話題からは逸れますが、うちの子たちの断乳(2歳代)は、それはそれは苦労しました。。。
断乳に関してはどのお宅でも大抵苦労されていることと思いますが、我が家の第一子は断乳を試みたところのたうちまわり、叫びながら壁から壁へと転げまわり、目も当てられない有様。
母親である私が泣いてしまうほど辛く、2週間かけてようやく断乳ができたのでした。
これは、見方によっては
「長くおっぱいをあげたから習慣づけになってしまった」
と言えますよね。
離乳食を早めに進め、寝かしつけも母乳でしていなければここまでの苦労はなかったのでは、という捉え方ができるでしょう。
実際のところ、1年以上母乳をあげることに否定的な意見に出会うことは多々あります。
世の中には寝かしつけのテクニックをはじめとするさまざまな考え方がありますので、私の経験したような断乳は「失敗」とも捉えられることだと思います。
おむつの長期使用でトイレトレーニングが難しくなることと、長期間の授乳で断乳が辛くなるのとでは、「習慣づけ」の側面から言えば同じです。
また、離乳食期に手づかみ食べを経験させてからスプーンでの食事に移行することはどうでしょうか。
このことも、習慣を変えるという点では同じです。
赤ちゃんに「いいよいいよ、手で食べていいよ」という教育をしておきながら、後になって「実はね、食器をつかわないとダメなの!」と教え直すことになるのです。
(実際には、赤ちゃんは成長するに従い積極的に食器を使いたがるのが通常だとは思いますが。)
おむつも同じ。
おむつに頼り、その後にトイレトレーニングをして排泄習慣を変えるということは、それ自体がまちがっているとは言い切れない部分があります。
おむつを利用していた間、お母さんにはメリットがあったでしょうし、お母さんにメリットがあるということは、お子さんにも大きなメリットがあったはずだと思います。
おむつなし育児は、あくまでも数ある育児方法の中のひとつにすぎません。
これが性に合っていてとても楽しくできるのなら楽しめば良いし、とてもできない、2、3歳になったら普通にトイレトレーニングをするということであればそれが正解です。
おむつなし育児なんて知らなかった、知ってたらやってたのに、という場合であっても、その当時はおむつに頼ることが正解であったはずです。
親として、我が子に対して常に最善のことをしていたはずです。
そこのところを受け止め、受け入れていけば、育児に対する失敗感だの罪悪感だの、はたまた育児法の押し付けや否定もなくなっていくのではないでしょうか。
おむつを数年利用し続けて、その後にトイレトレーニングに進む場合、それはそれでひとつの正解なのです。
私はおむつなし育児をやっているやっていないでお母さんの質が変わったり、おむつが早く外れたまだ外れないで親の評価がなされるべきとは思っておらず、家庭ごとのやりかた、生活に即した育児法の選び方があり、おむつなし育児はそのうちのひとつの選択肢だと考えています。
育児関連の会話のなかでときどき聞こえてくる
「おむつなし育児をやっている人が苦手」
「紙おむつに頼りきってるママが苦手」
そこのところが、もうちょっと緩和されたらなぁと思うのです。
カウンセリングは、こころが弱いから受けるのではありません。
定期的に健康診断を受けたり、温泉やマッサージに行ったりして自分の身体を自分で管理するのと同じで、こころの状態も健康に保つべく管理し、自分自身を慈しみ、よりよい人生を送るために活用できるもの。
つまり、✨自分の人生をより自分らしく輝かせて生きるためのもの✨なのです。
ぜひご活用くださいね。
*お知らせ*
親教育の翻訳に関わる企画を優先させるため、
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